TOP


2013年4月9日火曜日

農地等の相続税の納税猶予

農地等の相続税の納税猶予がある場合の
計算方法について軽くまとめてみました。

-----------------------

①第1表の相続税の総額(相続税評価額)

【相続税評価額】による特例農地等の価額で計算
※相続税評価額による按分割合・算出税額の計算は不要


②第3表の相続税の総額(農業投資価格)

【農業投資価格】による特例農地等の価額で計算


③納税猶予の基となる税額

 ①【相続税評価額】による相続税の総額
 ②【農業投資価格】による相続税の総額

農業相続人が複数いる場合には、「農業投資価格超過額」で按分計算。
農業投資価格超過額=
【相続税評価額】による特例農地等の価額
【農業投資価格】による特例農地等の価額


④算出相続税額(二割加算前)

■農業相続人
【農業投資価格】による算出相続税額+③

■農業相続人以外の者
【農業投資価格】による算出相続税額


-----------------------
各人の算出相続税額について、
農業相続人以外の者は【農業投資価格】による相続税の総額及び課税価格により計算され、農業相続人は納税猶予の基となる税額を加算することによって【相続税評価額】による相続税の総額及び課税価格により計算されていることを理解すること。
要するに農業相続人か否かで結果としては算定基準が異なることになっている。
-----------------------


⑤配偶者の税額軽減額

計算の基礎である「相続税の総額」「配偶者の課税価格相当額」について、

農業相続人以外の者(農業相続人≠配偶者)・・・
【農業投資価格】による相続税の総額及び課税価格で計算
農業相続人(=配偶者)・・・
【相続税評価額】による相続税の総額及び課税価格で計算

※農業相続人以外の者については、
【農業投資価格】による課税価格【相続税評価額】による課税価格 算式中の「課税価格の合計額」が配偶者=農業相続人か否かで異なってくるので注意!


⑥相次相続控除

控除額の総額を計算する場合の「純資産価額」は、
【相続税評価額】による課税価格で計算し、
控除額を各相続人に按分する場合の「純資産価額」は、
【農業投資価格】による課税価格で計算する。


⑦外国税額控除

控除限度額の計算の基礎である「純資産価額」は、

農業相続人以外の者・・【農業投資価格】による課税価格で計算
農業相続人・・・・・・【相続税評価額】による課税価格で計算

※農業相続人以外の者については、
【農業投資価格】による課税価格【相続税評価額】による課税価格なので、
申告書の第8表1⑥「取得財産の価額」は、いずれにしろ第1表④「純資産価額」を用いる。


⑧農地等納税猶予額

第8表2の計算式の理屈は、
・二割加算額に含まれる「納税猶予の基となる税額」相当額に対応する部分の金額を納税猶予額に含める。
・【農業投資価格】を基準として計算した場合の農業相続人の算出相続税額(上記加算額を除く。)が、各税額控除額の合計に満たない場合には、その満たない部分の金額は納税猶予額に含めない。


(参考算式)二割加算額の按分計算

算出税額(相続税評価額)
算出税額(農業投資価格)+納税猶予の基となる税額

第8表2②=二割加算額×納税猶予の基となる税額/
算出相続税額(農業投資価格)+納税猶予の基となる税額

第8表2⑤=二割加算額×算出相続税額(農業投資価格)/
算出相続税額(農業投資価格)+納税猶予の基となる税額


つづき 農地等の相続税の納税猶予②

0 件のコメント:

コメントを投稿