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2013年2月19日火曜日

小規模宅地等の特例

評価減受けられるか迷ってしまうヤヤコシイ事例を紹介します。


宅地の上に建てられている建物の所有者は被相続人の生計一親族A。
宅地の貸借は使用貸借契約だけど、

被相続人がAに賃貸借契約による家賃を支払って居住していた。
相続開始以後は同居親族Bが宅地を取得して賃貸借契約を継続し居住及び継続保有要件を満たしている。



考察その1.特定居住用宅地等に該当するかどうか?
同居親族が継続保有し、かつ、その居住用家屋に居住しているため要件を満たしているっぽく見える。


考察その2.貸付事業用宅地等に該当するかどうか?
生計一親族Aの貸付事業の用に供されていた宅地等ではあるが、その宅地等をAが相続又は遺贈により取得していないため、貸付事業用宅地等には該当しない。


考察その3.被相続人等の居住用&事業用の宅地等いずれにも該当するの?ここがこの問題の核心点です。措置法通達にこれの答えが載っております。(国税庁HP参照)



69の4-7 被相続人等の居住の用に供されていた宅地等の範囲http://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/tsutatsu/kobetsu/sozoku/sochiho/080708/69_4/01.htm#a-4-7
被相続人等の居住の用に供されていた宅地等とは、被相続人等の居住の用に供されていた家屋で、被相続人が所有していたもの(被相続人と生計を一にしていたその被相続人の親族が居住の用に供していたものである場合には、当該親族が被相続人から無償で借り受けていたものに限る。)又は被相続人の親族が所有していたもの(当該家屋を所有していた被相続人の親族が当該家屋の敷地を被相続人から無償で借り受けており、かつ、被相続人等が当該家屋を当該親族から借り受けていた場合には、無償で借り受けていたときにおける当該家屋に限る。)の敷地の用に供されていた宅地等をいうものとする。


長文の括弧書きが鬱陶しいので要約すると、

①被相続人が所有していた家屋については、
被相続人の生計一親族が居住の用に供していたものである場合には、

被相続人から無償で借り受けていたものに限る。

②被相続人の親族が所有していた家屋については、
その家屋の敷地を被相続人から無償で借り受けており、かつ、被相続人等が居住の用に供していたものである場合には、
被相続人の親族から無償で借り受けていたものに限る。


つまり、親族間貸借で使用貸借以外の場合には、居住用の宅地とは言えない。続きまして、事業用の宅地の範囲を見てみましょう。



69の4-4 被相続人等の事業の用に供されていた宅地等の範囲http://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/tsutatsu/kobetsu/sozoku/sochiho/080708/69_4/01.htm#a-4-4

被相続人等の事業の用に供されていた宅地等とは、次に掲げる宅地等をいうものとする。
(1)他に貸し付けられていた宅地等(当該貸付けが事業に該当する場合に限る。)
(2)(1)に掲げる宅地等を除き、被相続人等の事業の用に供されていた建物等で、被相続人等が所有していたもの又は被相続人の親族(被相続人と生計を一にしていたその被相続人の親族を除く。)が所有していたもの(被相続人等が当該建物等を当該親族から無償(相当の対価に至らない程度の対価の授受がある場合を含む。)で借り受けていた場合における当該建物等に限る。)の敷地の用に供されていたもの



要約すると、
生計一親族以外の親族が所有していた家屋等については、
被相続人等がその親族から無償で借り受けていたものに限る。


本事例の場合は、被相続人等の事業の用に供されていた宅地等の範囲には含まれるが、先にも述べた通り、貸付事業宅地等の要件は満たしてないので意味なし。



■結論.特定居住用宅地等及び貸付事業用宅地等のいずれにも該当しないので評価減なし。

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